高枝切り鋏

この時期になると、植木の剪定が大変なのだ。小さな庭なのだが、ちょっと油断すると大きくなってしまう金木犀がある。秋の仄かな香を毎年楽しむのである。しかし、新芽が伸び始めてきた春はそのことを一切忘れて高枝切り鋏でジョキジョキ切る。
道を通り過ぎる近所の人が、「さっぱりしますね」と声を掛けてくれる。本当に木が軽くなったような感じがして、心地よい。調子良く切っていたら、「あれっ、鋏が効かない」
手元のレバーを見るとなぜかボルトナットが外れ、バネが飛び出している。庭に積み重なった葉っぱでどこに落ちたかも分からない。残念だけれど、剪定はこれで終わり。そしてこの高枝切り挟みも寿命だから来年まで作業なし、しめしめ。
切り落とした枝葉を5袋ほどに集めて作業終了だ。きれいになった庭を良く見たら、光るものがある。無くなったボルトナットが行儀よく並んでいる。「さあ、今年もまだまだ植木を切ろうね」、と元気に話しかけられてしまった。「・・・」

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