昨日、2006年度第一回CANフォーラムセミナー 「情報社会の地域を作るメディアと人 ~第三局面の地域情報化~」に参加してきました。シニアSOHO普及サロン・三鷹 堀池喜一郎氏、はりまスマートスクールプロジェクト 和崎 宏氏、CANフォーラム 丸田一氏、CANフォーラム/慶應義塾大学 國領二郎氏、CANフォーラム/多摩大学 公文俊平氏などが出席し、全体の参加者は25名程度でした。(写真左から講演者の丸山氏、和崎氏、堀池氏)
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<概要>
堀池氏は、アクティブシニアが行うIT地域支援協働事業型という初期の形態から最近地域の人材供給型(人財)に変化してきた様子が説明されました。06年度売上げ予想ではIT関係は1/3に留まり、その他の人材提供型事業が大幅に増えているそうです。キーワードは地域の課題を解決する地域アクティビスト。学校基点の新たな住民参加NPO活動が始まっています。学校安全推進員を要として、従来の地縁・地域組織に加えてテーマ型NPO活動が連携して新たな動きが始まっています。
地域活動支援型コミュニティSNSの「ひょこむ」の和崎氏は、地域社会における新しいソーシャルキャピタルの形成に向けて兵庫県の地域SNSを立上げました。10月サービス開始で現在会員700名、コミュニティ1000、平均年齢43歳。兵庫県は地域活動支援として企業超過課税を特別会計財源として20億円を投資しているそうです。これが兵庫の情報インフラ開拓を支える源になっているとのこと。
GLOCOMの丸山氏は、生活者としての生活者メディアを提唱。実際に単身赴任中にメディアの役割を体感したそうです。「ぐるまる」ブログで家族ネットを形成しています。
<感想>
三鷹と兵庫は対照的な事例となっています。三鷹は当初ITベースで始めた事業が地域人財提供に変容しているのに対して、兵庫は地域SNSでコミュニティが形成されるとのこと。この2つの事例を対比させることにより、これからの地域情報化に何が必要なのかが見えるのではないかと思いました。
具体的には、三鷹がIT支援事業に加えて新たな事業を開拓して行く上でもし地域SNSがあったら有効に使えるのか。逆に三鷹の例のように地域活動を発展させていくために地域SNSひょこむに望まれる機能は何なのか、地域SNSの弱点はどこにありそうなのか、この辺りがポイントになりそうです。
私の仮説は、1)地域SNSはサロンとしての機能はある程度果たせるが、地域課題の解決に向けたある意味真剣な活動を支えるメディアとはなり得ない、2)三鷹の事業発展の背景にはIT支援事業で行政との顔が見える信頼関係が構築されてきたことによる、というものですが、いかがでしょうか。
今回話題となったWeb2.0(ブログ、SNS、Wiki、ソーシャルブックマーク、YouTUBE)は、まだビジネス中心の動きであるが、今後これを地域活動にどのように捉えていくかが課題となりそうです。